在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン

在留資格の変更及び在留期間の更新は、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号。以下「入管法」といいます。)第20条第3項及び第21条第3項の規定により、法務大臣が適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可されることとされています。

法務省入国管理局の「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」(平成28年3月改正)によれば、相当の理由があるかどうかの判断は、専ら法務大臣の自由裁量に委ねられ、申請者の行おうとする活動、在留状況、在留の必要性等を総合的に勘案して行われており、その判断に当たっては、次のような事項が考慮されることとされています。

ただし、下記1の在留資格該当性については、許可の要件となります。また、下記2の上陸許可基準については、原則として適合していることが求められることとされています。下記3~7の事項については、適当と認める相当の理由があるかどうかの判断に当たっての代表的な考慮要素であり、これらの事項にすべて該当する場合であっても、すべての事情を総合的に考慮した結果、変更又は更新の許可がされない場合があります。 なお、申請書類提出時には、窓口において保険証の提示が求められることとされています。

※ 保険証を提示できないことを理由として、在留資格の変更又は在留期間の更新が不許可となることはないこととされています。

在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン

1 行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当すること

申請人である外国人の方が行おうとする活動が、入管法別表第1に掲げる在留資格については同表の下欄に掲げる活動、入管法別表第2に掲げる在留資格については同表の下欄に掲げる身分又は地位を有する者としての活動であることが必要となります。

2 法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること

法務省令で定める上陸許可基準は、外国人の方が日本に上陸する際の上陸審査の基準ですが、入管法別表第1の2の表又は4の表に掲げる在留資格の下欄に掲げる活動を行おうとする方については、在留資格の変更及び在留期間の更新に当たっても、原則として、上陸許可基準に適合していることが求められることとされています。また、出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の規定に基づき同法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動を定める件(特定活動告示)に該当するものとして上陸許可を受け、特定活動の在留資格をもって在留する方又は出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の規定に基づき同法別表第2の定住者の項の下欄に掲げる地位を定める件(定住者告示)に該当するものとして上陸許可を受け、定住者の在留資格をもって在留する方が在留期間の更新を受けるためには、原則として、引き続き当該告示に定める要件に該当することを要することとされています。

※ 申請人の年齢や扶養を受けていること等の要件については、加齢、扶養を受ける状況の消滅等の、日本に入国後の事情の変更により、適合しなくなる場合がありますが、これらの事由により、直ちに在留期間更新が不許可となるものではないこととされています。

3 素行が不良でないこと

素行については、善良であることが前提となり、良好でない場合には消極的な要素として評価されることとされています。具体的には、退去強制事由に準ずるような刑事処分を受けた場合、不法就労をあっせんするなど出入国管理行政上看過することのできない行為があった場合は、素行が不良であると判断されることとされています。

4 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

申請人の生活状況として、日常生活において公共の負担となっておらず、かつ、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること(世帯単位で認められれば足りることとされています。)が求められることとされています。

なお、仮に公共の負担となっている場合であっても、在留を認めるべき人道上の理由が認められる場合には、その理由を十分勘案して判断されることとされています。

5 雇用・労働条件が適正であること

日本で就労している場合又は日本で就労しようとする場合には、アルバイトの場合を含め、その雇用・ 労働条件が、労働関係法令に適合していることが必要とされています。

なお、労働関係法令に違反したことにより勧告等が行われたことが判明した場合には、通常、申請人である外国人に帰責性はないため、この点を十分に勘案して判断されることとされています。

6 納税義務を履行していること

納税の義務がある場合には、当該納税義務を履行していることが求められ、納税義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されることとされています。例えば、納税義務の不履行により刑を受けている場合には、納税義務を履行していないものと判断されます。

なお、刑を受けていない場合であっても、高額の未納や長期間の未納などが判明し、悪質なものと判断された場合には、納税義務を履行していないものとして取り扱われることとされています。

7 入管法に定める届出等の義務を履行していること

入管法上の在留資格をもって日本に中長期間在留する外国人の方は、入管法第19条の7から第19条の13まで並びに第19条の15及び第19条の16に規定する在留カードの記載事項に係る届出、在留カードの有効期間更新申請、紛失等による在留カードの再交付申請、在留カードの返納、所属機関等に関する届出などの義務を履行していることが必要とされています。

【出典】上記の記事は、「在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン」(http://www.moj.go.jp/content/000099596.pdf)を基に、当事務所にて内容を編集して作成しています。

【参考】在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン

最終更新日:2019年11月12日